屋根修理の達人ブログ

屋根のリフォームなら屋根カバー工法?特徴やメリットを解説!
2023.06.22

 

こんにちは、川崎市宮前区リフォーム会社の村木です。

屋根は古くなって劣化すると、雨漏りや内部の破損・ひび割れなどが起こり、屋根としての機能が十分に果たせなくなります。その際に検討されるのが「屋根葺き替え」という工事です。しかし、屋根葺き替えは下地となる屋根材からすべてを取り出して新しくするリフォーム工事のため、大掛かりなものとなりやすいという欠点があります。そこで、おすすめの工法が「屋根カバー工法」です。

屋根カバー工法の特徴
屋根カバー工法の特徴は、屋根葺き替えのようにすべてを新しくする必要がなく、屋根材の上から新しい屋根材をかぶせて屋根リフォームの方法とすることです。通常は、住宅スレート屋根に「ガルバリウム鋼板屋根」を使用してカバー工法を行います。

屋根カバー工法の目的

屋根カバー工法の本来の目的は、防水機能を一新し、屋根材と防水シートで2重に雨水を防ぐことです。屋根の雨漏りは屋根材の劣化や下地などの内部の傷みで起こります。リフォームが必要な状態になるまで劣化が進んでいた場合、板金内部に水が浸透していることも珍しくありません。つまり、新しくした防水機能により、内部に水が浸透したり、屋根材が腐ったりすることを防ぐことができます。

施工手順
屋根カバー工法の手順は、リフォームを施工業者に依頼するところから始まります。大まかな流れとして、まずは洗浄を行い、屋根の頂点にある板金(「棟板金」)やその下・内部にある板(「貫板」)を必要に応じて取り除きます。

その後、防水シートを設置して、新しい屋根材を上から施工します。最初に取り除いた板金などは、屋根材の設置後に改めて新品を取り付けます。後はコーキング処理などを施して、リフォーム完了となります。

屋根カバー工法のメリット

屋根カバー工法には、屋根葺き替えや塗装・補修・交換の一部施工に比べてさまざまなメリットがあります。

屋根葺き替えほど費用がかからず工期を短縮できる

屋根カバー工法の最大のメリットは、屋根葺き替えのように大掛かりな撤去作業をして新しい屋根を内部含めて張り替えるという手間がかからないことです。特に施工業者に依頼した場合の費用を抑えることができます。それから、工期を短くして短期間でリフォームが完了するのです。大掛かりな屋根リフォームの施工は費用が多くかかり、屋根の面積が大きくなるほどその費用も比例して高くなりますから、費用削減できる工法です。

また、住宅の屋根をリフォームする場合、工期が長くなるほど足場の組んだ状態が長くなり、自宅の外観が悪くなるでしょう。このように屋根葺き替えで生じるようなデメリットが屋根カバー工法にはありません。

空気汚染や騒音、アスベスト対策が簡単

屋根カバー工法には、撤去作業が少ないことによる周辺環境への配慮が簡単というメリットがあります。一般的に屋根葺き替えの欠点は、撤去工事による廃棄物が出ることが挙げられます。住宅から屋根を撤去するために出た廃材は、トラックなどを使用して運び出されますが、舞い上がった粉塵により周辺環境は一時的に汚れて、昼間であっても騒音などのトラブルを引き起こします。しかし、屋根の全面撤去が必要ない屋根カバー工法では、そういったトラブルを最小限にすることが可能です。

また、上記に加えて、古い住宅に使われていたアスベスト対策が可能という点もメリットの1つです。アスベストが住宅に含まれていた場合、その撤去作業にはアスベスト対策を施すためのネット設置や作業員の安全を維持するための室内換気の対策などが不可欠です。屋根カバー工法では最小限の撤去作業のために、アスベスト対策も最小限にとどまります。

防水・防音・断熱の機能が高まる
屋根カバー工法で誰もが得られるメリットの中には、屋根を重ねたことによる防水や防音、断熱の機能が高まることがあります。屋根が2段重ねになっていることを想像すれば、そのメリットがなぜ得られるのか想像がつきやすいでしょう。さらに、防水面は、防水シートと屋根材を上から新たに重ねることもあり、高い防水性能を獲得し、雨音に対しても防音機能が高まるでしょう。

屋根カバー工法のデメリットや注意点

次に、屋根カバー工法のデメリットや施工する場合の注意点について紹介します。

施工できる屋根が限定される

屋根カバー工法のデメリットは、スレート屋根やアスファルトシングルといった特定の屋根に使うことが想定されており、他の屋根の種類には基本的に使えないことです。例えば、瓦屋根や劣化したコロニアル屋根などです。防水シートの設置や屋根材を止めるためには平らな屋根を必要とし、それ以外の条件の屋根には使えません。瓦は重量もあるため、上からかぶせると屋根そのものの重量が重くなりすぎるのです。

内部劣化がひどい場合には使えない

築年数が30年以上という場合に、カバー工法ではどうにもならないほど内部が劣化していることがあります。その場合、屋根葺き替えしか工法の選択肢がなくなるため、屋根カバー工法は使えないというデメリットが生じるでしょう。

耐震面の不安がある(屋根の重さが増す)

屋根カバー工法が必要になる住宅は基本的に20年程度時間の経った住宅です。そのため、古い住宅はいまある屋根の重さに対してのみ耐震性能を保持しているため、2重に施すことで屋根が重くなり過ぎ、地震(揺れ)に対して弱い住宅に変わってしまうことがあります。

DIYは基本的に不可

屋根カバー工法は全面リフォームという負担がかからないため、さらに費用を抑えるべく「DIYしてみたい」という方もいるかもしれません。しかし、屋根カバー工法は手順はシンプルでもそこに使われている技術や安全対策は業者だからできるという部分が大きく、一般素人のDIYはできません。上から屋根材を設置するという、普通の屋根設置以上の技術が求められますし、何より屋根上の作業は危険がつきまといます。実際、屋根上での作業を素人がDIYしようとして転落し、大怪我や死亡するケースもあるのです。

作業中の怪我もありえますし、女性に限らず男性でも大変な作業であることには変わりません。

何より、専門業者の技術を持たずDIYする場合、施工に失敗して再度リフォームし直すことになれば二重の費用負担となり、結局は施工業者に任せたほうが安かったということにもなりかねません。屋根は長い期間を雨風から住宅や中の人を守る大事な部分のため、ちょっとした補修作業であってもDIYすることは避けるべきです。

まとめ

今回は、屋根のリフォームを考えている人に、屋根カバー工法の特徴やメリット・デメリットを解説しました。屋根カバー工法は、屋根葺き替えのような屋根を一掃する必要なく、上から最小限の工事だけでリフォームが完了します。特にメリットとしてかかる費用が少ないことや工期が短いことが挙げられます。さらに、断熱性能や防水性能が上がるのも魅力です。しかし、デメリットとしてどの屋根にも適用できるわけではなく、内部劣化の状況によっては屋根葺き替えしか工法を選べないことがあります。そして、屋根カバー工法は技術面だけでなく、安全面を考慮する必要があり、個人でのDIYはせず専門の施工業者に任せるのが最適です。

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